消費者向けのトレンド一覧は、開発の判断の入力としては間違っています。それが描いているのはいま買われているものですが、御社の製品が着くのは「いま」ではありません。そのあいだには開発があり、試験があり、届出があり、生産があります。そのどれ一つとして、後ろにあるトレンドが急いでいるからといって速くは進みません。ですから一覧が最新と呼んでいるものは、御社がそこへ着くころには、一年前に買われていたものになっています。
ブランドオーナーにとって役に立つ信号は、ほかのブランドが何をつくろうとしているかのほうです。ブリーフとは、すでに下されていて、まだ棚に出ていない判断だからです。そちらは棚よりすでに一年ぶん先を走っていますし、御社が到着したときに比較対象がどんな顔ぶれになっているかを教えてくれます。この記事はその角度から、私たちに届くブリーフのなかの傾向として書きました。市場規模の数字は出しません。裏づけて言えるデータを持っておらず、根拠のない数字は数字がないより悪いからです。
構造として動いているもの
これはトレンドより遅く動き、そのぶん重い変化です。製品に何が入っているかではなく、製品が何でなければならないかを変えるからです。トレンドが教えるのはパッケージの表に何を載せるかであり、構造の変化が教えるのは、成分を選ぶより前にブリーフが答えておかなければならないことです。
バリアはカテゴリーではなく既定の枠組みになりました
数年前まで、バリアケアは一つの区分でした。いまでは製品の種類を問わず、ブリーフが到着するときの枠組みがそれです。ブリーフは、その製品が何のためのものかを言うより先に、肌に対して何をしてはいけないかを言います。美容成分を前面に出したコンセプトでさえ、バリアに挑むのではなくバリアを尊重するものとして立てられます。
実務としては、支える系が主役の美容成分と同じくらい効いてくるということです。かつては面白い成分を運ぶ器としてしか扱われなかったものが、いまでは製品が訴求している中身そのものの一部になっています。セラミドの話ではないブリーフにまでセラミドのバリアクリーム開発で扱う脂質の系が顔を出すのは、そのためです。
工程は減り、一工程あたりの仕事は増えました
十ステップの手順はどこよりも先に韓国で後退しました。二つの製品でしていたことを一つでこなしてほしい、というブリーフが増えており、その理由は、最大主義を試して戻ってきた消費者にあります。戻ってきたことは、関心をなくしたことと同じではありません。短くなった手順には、長かった手順が渡していたものをそのまま渡すことが期待されています。
これは聞こえるほど簡単な処方ではありません。一つにまとめようとしている二つの製品は、そもそも別々のテクスチャーに向けて組まれていました。ですからハイブリッドな製品は、一つの処方のなかで粘度と使用感の目標がぶつかることを意味するのがふつうです。初期のサンプルは片方の目標には近づき、もう片方からは離れます。しかも直しを一つ入れるたびに両方が動きます。開発の回が増えるよくある原因はそこにあります。
成分の透明性が、いまは差になります
買い手は「何が何パーセントか」を尋ねます。原料としてなのか、含量としてなのか。これは同じ処方についての別々の問いであり、どちらにも正直に答えられます。見出しの数字がそのどちらでもありうると学んだ消費者が十分に増えたので、そこに正確に答えること自体が、はぐらかしではなくポジショニングの選択になりました。
ブランドにとっては両刃です。配合率を掲げれば次の問いを呼び込みますし、その問いに答えを持たないことは、はじめから掲げないことより悪い結果になります。配合率を掲げるつもりなら、それがどちらの数字かを言えるようにしておいてください。この問いがどう効いてくるかは、二つの数字が桁で違いうる韓国でのペプチドセラム開発をご覧ください。
サンケアは季節商品ではなくなりました
毎日使える、化粧品として洗練された、メイクの下に、あるいはメイクの代わりに使う日焼け止めです。ここは韓国の処方がいちばん強い領域の一つであり、いちばん輸出しにくい領域の一つでもあります。アメリカ市場向けの韓国での製造にあるとおり、アメリカは日焼け止めを、より狭い防御剤の一覧を持つ医薬品として扱うからです。これは最後に片づける表示の違いではありません。どの処方なら存在できるかを決めてしまうものです。このカテゴリーでは、処方より先に市場を計画してください。後ではありません。
クリニックへの隣接
クリニックでの施術に併せて使うものとして置かれる製品です。バイオ由来の美容成分のカテゴリーを引っぱっているのがこれで、訴求の規律がいちばん効いてくる場所でもあります。このポジショニングを魅力あるものにしているのは、ほとんどが言葉に載っているからです。クリニックの文脈で使える言葉は、たいていの輸出市場では消費者向けの販促に移した時点で生き残りません。処方は狙いどおりのままで、コンセプトのほうだけが立たなくなることがあります。
成分の周期
成分は読める弧を描いて動きます。いまどこにいるかを知るほうが、人気があると知るより多くを教えてくれます。人気は今日とった一つの目盛りにすぎません。弧のほうは、原価と供給と認知がどちらへ動いているかを教えます。
新興期。 クリニックと専門的な製品のなかにあります。原価が高く、供給は細く、輸出市場での規制上の位置づけも定まっていません。供給が細いというのは、案件を見積もったときの価格も入手のしやすさも、発注までのあいだに動きうるということです。本物の差がつき、本物の危うさがあります。
上昇期。 消費者の認知が上がり、供給が改善し、原価が下がります。ここがいちばん報われる窓です。 認知はすでにあるので御社がつくる必要がありません。それは誰かがすでに払い終えた費用だということです。そしてカテゴリーはまだ飽和していません。
主流期。 どこも持っています。そのぶん成分は、選ばれる理由ではなく、検討の土俵に乗るための条件のほうへ変わります。成分そのものはもう差になりません。差になるのは処方の質、配合量の透明性、支える系のほうです。
汎用期。 ほとんどの製品に入っており、主役になることはまれです。悪いところがあるわけではなく、ただ一つでは物語を背負えないというだけです。系の一部としてはなお値打ちがあります。
この弧を無視すると、二つの間違いが起こります。一つめは、規制上の危うさを価格に織り込まないまま新興の成分で組み立てることです。韓国でのエクソソームスキンケア開発で扱う原料の調達がいまいちばん分かりやすい例で、原料の由来がヨーロッパで売れるかどうかを決めてしまいます。つまりこれは、書類の問題ではなく処方の問題だということです。二つめは、主流の成分に差をつける役目を期待することです。よい製品はできますが、選ばれる理由がありません。
商売としていちばん堅いのは、上昇期の美容成分を、よく組まれた系のなかに置くことで、しかも裏づけの取れる具体的な訴求と一緒に出すことです。この三つはそれぞれ別の仕事をします。美容成分が関心を集め、系が二度目に買われるかどうかを決め、訴求はその二つについて何を言ってよいかを決めます。
古びやすいもの
ブリーフのなかに見える、市場に触れると生き残りにくい型です。
トレンドがコンセプトのすべてになっている。 製品がトレンドそのものであれば、トレンドが終わるときに製品も終わり、そこから広げられるものは何も残りません。トレンドは、それより長く続くポジショニングへの入口としては働きますが、ポジショニングそのものにはなりません。
自分の市場で適法に表現できないトレンド。 クリニックに隣接するものでよく起こります。処方のほうはたいてい問題ありません。足りないのは、それをつくる値打ちがあると思わせたその一言を、言ってよいという許しのほうです。デザイン入稿データを固めた後ではなく開発の前に、その訴求が使えるかを確認してください。
主役の美容成分を三つ重ねる。 原価は急に上がり、安定性の作業は積み重なり、それぞれが何に効いているかを裏づけることはやさしくなるどころか難しくなります。三つがそろって出た結果は、そのうちのどれか一つのものだとは言えないからです。一つの主役と支える成分構成のほうが、ほぼ常に結果は上です。
写真のために選んだ剤形。 二剤式の系、変わった吐出機構、劇的なテクスチャー。正解のこともあります。ただ多くの場合は、包装資材の原価とリードタイムと失敗の経路を足すだけです。部品が一つ増えるということは、調達する先が一つ増え、ロットが崩れる道筋が一つ増えるということだからです。その見返りは一度の投稿には実在しても、その後は消えます。
ODM の日程でトレンドを追う。 棚まで一年半あるなら、それは今日のトレンドに向けた発売ではありません。捕まえられる程度にゆっくり動く構造の変化のほうで組み立てるか、プライベートブランドで独占のないベース処方を受け入れて窓に間に合わせるかです。この引き換えはOEM・ODM・プライベートブランドの比較にまとめてあります。
確約する前にトレンドを読む
五つの問いで足ります。半日あれば済みます。
- 周期のどこにいますか。 新興、上昇、主流、汎用のどれか。
- 売るすべての市場で、言いたいことを言えますか。 処方の前に確認してください。
- 御社の日程に耐えますか。 試験と届出まで含めて棚から逆算し、そのときまだそのトレンドがあるかを尋ねます。
- 消えたらどうなりますか。 そのトレンドの内側でしか意味をなさない製品は、トレンドが過ぎた時点で死んだ品目です。時宜を得た物語を持つよい製品として意味をなすものは、そうなりません。
- 差になるのは成分ですか、実行ですか。 成分が主流であるなら、差は処方か、使用感か、ブランドから出てくるほかありません。そのどれなのかを言えるようにしておいてください。
私たちなら何をつくるか
すべてのブランドへの助言ではありませんが、届くブリーフを見渡していちばん分のよい型です。
主力品を一つ。 新興期ではなく上昇期の美容成分。バリアを尊重する支える系。目新しい剤形ではなく、まっとうに仕上げた定番の剤形。目新しさの費用がいちばん高くつき、いちばん返ってこないのが剤形だからです。売るすべての市場で裏づけの取れる具体的な訴求。配合量については透明に、その数字がどちらを指しているかも含めて。
そこから先は、次のトレンド一覧ではなく実際の売れ方のデータで広げます。二つ目の製品が答えるのは、御社自身のお客さまが挙げた問いだからです。それに何がいくらかかり、どの順に来るかは化粧品開発費の内訳にまとめています。
よくあるご質問
最初の製品を、話題の成分を軸に組み立てるべきですか。
できれば上昇期のものを軸にしてください。認知はすでにあり、カテゴリーはまだ飽和していません。新興の成分は規制と供給の危うさを伴い、最初の製品はそれを吸収できる立場にありません。主流の成分はもう差になりません。どれを選ぶにしても、成分はそれより長く続くポジショニングへの入口であるべきです。
そのトレンドが十分に続くかどうかは、どう分かりますか。
意図している発売日から、届出、試験、開発をさかのぼって数え、いちばん奥でそのトレンドがまだありそうかを尋ねてください。正直な答えが「ない」であれば、代わりに構造の変化のほうで組み立てるか、独占のないベース処方を受け入れてプライベートブランドで窓に間に合わせるかです。構造の変化は、捕まえられる程度にゆっくり動きます。
強いトレンドの美容成分をまとめて使わないのはなぜですか。
原価も、安定性の作業も、裏づけの難しさも積み重なるのに、販促上の利得は積み重ならないからです。一つの処方に主役を三つ入れると、たいていは説明しにくく守りにくい、より高価な製品になります。一つの主役と支える成分構成のほうが、ほぼ毎回よい構造です。
市場規模のデータは公開していますか。
していません。裏づけて言えるデータを持っておらず、二次情報から引き写した数字は、検証済みとして扱われるぶん数字がないより悪いからです。私たちが記述できるのは、届く開発のブリーフのなかの傾向です。それは棚より一年ぶん先にあり、御社が到着したときの比較対象がどうなるかに直接関わります。
新しいブランドにとって、いちばん安全な最初の製品は何ですか。
上昇期の美容成分を定番の剤形に入れ、売るところすべてで裏づけの取れる訴求と一緒に出すことです。目新しい剤形と新興の美容成分は差がつく場所であり、同時に原価とリードタイムと規制上の危うさが集まる場所でもあります。最初の製品は、その三つを一度に使う場所としてはたいてい間違っています。
